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【潰瘍性大腸炎と大腸癌】


潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜〔表面の層です〕に炎症がおこる病気です。直腸の下端から口側へ連続性に病変がつながっているのが、特徴です。

直腸だけにとどまる直腸炎型と、左の結腸にとどまる左結腸炎型と大腸全部に炎症が及ぶ全大腸炎型に分類されます。

炎症が強い活動期と、炎症がおさまっている寛解期を繰り返します。
これは、どんな家庭の医学書にも書いてあることですね。他のウェブサイトにも書いてあるでしょ。
ここでは、一番大切な、患者さんにとって気になることから話しましょう。

潰瘍性大腸炎と診断された患者さんにとって一番気になるのは、寛解期(治療が奏功して炎症が収まった時期)に入った後で、また、炎症が始まったのだろうか、という点ですね。

大腸の炎症の有無は、どんな症状と最も関係があるのでしょうか。私の経験では、粘血便がもっとも確かな指標である印象です。下痢は、寛解期であっても起こることが多いですね。心配しないように。

「下痢があるのですか。で、いま、粘血便はありますか。」


次に気になることは、潰瘍性大腸炎と大腸癌の関係のようです。潰瘍性大腸炎は大腸癌になるのでしょうか。

 

いろいろな病院にかかっていた潰瘍性大腸炎の患者さんが、大腸癌になりやすいと言われて、心配になって、私の外来にやってきます。潰瘍性大腸炎と大腸癌の関係をまったく認識していないドクターも困り者ですが、むやみに患者さんを心配させるのも、また、罪つくりだと思うのです。

潰瘍性大腸炎と大腸癌の関係は、欧米の病院からの報告で警告されました。
           それは、潰瘍性大腸炎の発症から10年以上経過した、いわゆる「長期例」に大腸癌の発生が多い、というものでした。それで、日本でも、潰瘍性大腸炎に大腸癌が多く発生するから、大変!大変!ということになってしまったのです。そして、それを研究する日本の学者も出現するわけですが、でも、どのくらい、「大変!大変!」だったのでしょうか。と、いいますのは、潰瘍性大腸炎は、今でこそ、患者が増加して、(食生活の変化で、潰瘍性大腸炎が増えたのだ−ということになっていますが、真偽のほどは、わかりませんよ。学者様が行っているだけですから。)、よく、見かける病気になってきましたが、以前は、日本では珍しい病気でした。大腸癌も実は、世界水準からすれば、とても少ない国だったのです。そのような、日本という国で、潰瘍性大腸炎に大腸癌が発生しやすいといっても、実際、当時の日本には潰瘍性大腸炎の患者がいないのですから、あまりピンと来ないし、大事な税金を使って、そのような研究をするのも、学問としてはいいのかもしれませんが、日本人に役立つ医療のための研究としては〔医学の研究とは本来そのようであるべきです〕、当時は、だいぶ的外れなものだったのではないでしょうか。経済的に緊迫した現在の感覚から言えば、そうでしょ?
そして、私の1980年代後半までの文献的な調査でも、日本人の潰瘍性大腸炎の数から考えて、潰瘍性大腸炎に大腸癌が多く発生するという結論は、日本では、???だったのです。もちろん、欧米で言われるように、普通の大腸癌と異なる、潰瘍性大腸炎関連の大腸癌の特徴をもつ大腸癌の発生する特徴はあるのですが。そして、それは、普通の大腸癌よりも、診断が難しく、そのため、発見が遅れ、術後の経過も芳しくない、という特徴でしたが。

では、大腸癌がふえ、潰瘍性大腸炎も増えた、現在の日本ではどうなの?という質問は、とても的を得ていますね。現在の調査では、長期間をへた潰瘍性大腸炎には大腸癌が発生しやすいという、従来の結論を踏襲する結論になっているようです。(どのくらい本当なのかなあー)でも、やはり、潰瘍性大腸炎に発生した大腸癌にお目にかかることは、ほとんどないですね。ですから、潰瘍性大腸炎の方は、そんなに心配しなくていいと思います(私見です)。でも、大腸内視鏡検査で、毎年検査だけは受けていてください。注意報は出ているのですから。そして、大腸内視鏡検査を受けるなら、潰瘍性大腸炎に合併した大腸癌の経験のあるドクターに大腸内視鏡検査をしてもらうべきだと思います。といいますのは、潰瘍性大腸炎に合併する大腸癌は、発見が難しいからです。わたしは専門家ですから、今までに、数例経験があります(それでも数例ですよ)が、あの難しさは、何例か経験したものでないとわからないと思います。大腸内視鏡検査を何千例やっていても、あれらの症例の経験がないとちょっと難しい。痛い目にあいます。

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  目次
Home.
1.なぜ、大腸・肛門・骨盤底の疾患に特化したホームページを作ろうとしたのか?
2. 大腸ポリープがありますよ、といわれたら
3. 大腸という言葉を使えば
4.大腸癌の話
5.22歳女性の肛門癌
6. 大腸癌の危険率、そして、検診の確認の甘い罠
7. 直腸カルチノイド
8. 直腸カルチノイドの怪
9. 潰瘍性大腸炎と大腸癌
10. クローン病
11.虚血性大腸炎
12.薬剤性腸炎
13.抗生物質による偽膜性腸炎
14.アメーバ腸炎
15.O-157腸炎
16.トラベラーズ腸炎
17.ノロウイルス腸炎
18.MRSA腸炎
19.骨盤炎、ダグラス窩膿瘍
20.放射線性腸炎
21.恐るべし、放射線治療後の膀胱
22.閉塞性腸炎
23.腸閉塞と例え話、あるいは、例え話の閉塞状況
24.急性虫垂炎の24歳の女性
25.シマウマのような12歳の少女の虫垂炎
26.
卵巣がんのダグラス氏窩転移

27.過敏性大腸症
28.偽性腸閉塞症
29.慢性便秘
30.巨大結腸症とS状結腸過長症
31.肛門病スペシャル
32.肛門病スペシャルの名にふさわしい、ザ裂肛
33.内痔核 その対称性の乱れの話
34.痔と直腸癌
35.内痔核の話を続けましょう
36.痔と直腸癌 痔という病気
37.直腸異物
38.肛門管の話を続けましょう
39.内痔核の分類 Goligher分類
40.骨盤底筋群ということばが好きな理由
41.陰部神経のドグマ
42.陰部神経の新しい検査法の開発には理由がある
43.陰部神経潜時測定で何がわかったのか
44.肛門を評価する(1)マノメトリーという准基本検査の罠
45.肛門を評価する(2)デフェコグラフィー
 Defecography 排便造影)について

46.肛門の“8の字ダンス”
47.ポリープをとってほしかった
48.大腸ポリープに対する切除法 blood patch EMRという方法
49.別稿 大腸ポリープに対する安全な新しいポリペクトミー(EMR)の方法  ブラッドパッチEMR (blood patch EMR)の紹介
50.診療の秘訣 ブラッドパッチEMR
51.打撃フォームを変えるにも等しいこと
52.クリニック
53.
54.消化器外科医の実力
55.セカンドオピニオン ブルース
56.セカンドオピニオン 異聞
57.不信感という、時代のキーワード
58.そう説明してくれればわかります
59.セカンドオピニオン 異聞 裏の裏
60.終わりにー 文系のための医学誌
61.
62.そのほかの疾患:包茎は手術するべきか、受けるべきか。わたしの裏技手術
63.太ることと大腸癌
64.便潜血反応検査が陽性だったのですね
65.ものには旬というものがある
66.直腸癌は疫学的に異なるカテゴリーに属する
67. 大腸癌の原因は肉食???本当に本当?
68.盲腸ポート
68.盲腸ポート
69. 最善を尽くしましょうと請け負っていた外科医が
70. 病気が顔を変える

71. 女性と肛門
(外リンク)
72. 女性と肛門病
73.妊娠と肛門
74. 女性と大腸
75. 女性と大腸癌
76. 女性と直腸癌
77. 女性と肛門癌
78. 女性と便秘
79. 女性と腹痛
80. 女性と大腸内視鏡検査

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連絡先: author@jspecialjapan.com  さいたま新開橋クリニック 大腸肛門ペルビックフロアーセンター (? 048−795-4762) all rights reserved


大腸肛門骨盤底スペシャル の目次

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1.なぜ、大腸・肛門・骨盤底の疾患に特化したホームページを作ろうとしたのか?
2. 大腸ポリープがありますよ、といわれたら
3. 大腸という言葉を使えば
4.大腸癌の話
5.22歳女性の肛門癌
6. 大腸癌の危険率、そして、検診の確認の甘い罠
7. 直腸カルチノイド
8. 直腸カルチノイドの怪
9. 潰瘍性大腸炎と大腸癌
10. クローン病
11.虚血性大腸炎
12.薬剤性腸炎
13.抗生物質による偽膜性腸炎
14.アメーバ腸炎
15.O-157腸炎
16.トラベラーズ腸炎(旅行者腸炎)
17.ノロウイルス腸炎
18.MRSA腸炎
19.骨盤炎、ダグラス窩膿瘍
20.放射線性腸炎
21.恐るべし、放射線治療後の膀胱
22.閉塞性腸炎
23.腸閉塞と例え話、あるいは、例え話の閉塞状況
24.急性虫垂炎の24歳の女性
25.シマウマのような12歳の少女の虫垂炎
26.
卵巣がんのダグラス氏窩転移

27.過敏性大腸症
28.偽性腸閉塞症
29.慢性便秘
30.巨大結腸症とS状結腸過長症
31.肛門病スペシャル
32.肛門病スペシャルの名にふさわしい、ザ裂肛
33.内痔核 その対称性の乱れの話
34.痔と直腸癌
35.内痔核の話を続けましょう
36.痔と直腸癌 痔という病気
37.直腸異物
38.肛門管の話を続けましょう
39.内痔核の分類 Goligher分類
40.骨盤底筋群ということばが好きな理由
41.陰部神経のドグマ
42.陰部神経の新しい検査法の開発には理由がある
43.陰部神経潜時測定で何がわかったのか
44.肛門を評価する(1)マノメトリーという准基本検査の罠
45.肛門を評価する(2)デフェコグラフィー
 Defecography 排便造影)について

46.肛門の“8の字ダンス”
47.ポリープをとってほしかった
48.大腸ポリープに対する切除法 blood patch EMRという方法
49.別稿 大腸ポリープに対する安全な新しいポリペクトミー(EMR)の方法  ブラッドパッチEMR (blood patch EMR)の紹介
50.診療の秘訣 ブラッドパッチEMR
51.打撃フォームを変えるにも等しいこと
52.クリニック
53.
54.消化器外科医の実力
55.セカンドオピニオン ブルース
56.セカンドオピニオン 異聞
57.不信感という、時代のキーワード
58.そう説明してくれればわかります
59.セカンドオピニオン 異聞 裏の裏
60.終わりにー 文系のための医学誌
61.
62.そのほかの疾患:包茎は手術するべきか、受けるべきか。わたしの裏技手術
63.太ることと大腸癌
64.便潜血反応検査が陽性だったのですね
65.ものには旬というものがある

66.直腸癌は疫学的に異なるカテゴリーに属する
67. 大腸癌の原因は肉食???本当に本当?
68.盲腸ポート
68.盲腸ポート
69. 最善を尽くしましょうと請け負っていた外科医が
70. 病気が顔を変える

71. 女性と肛門
(外リンク)
72. 女性と肛門病
73.妊娠と肛門
74. 女性と大腸
75. 女性と大腸癌
76. 女性と直腸癌
77. 女性と肛門癌
78. 女性と便秘
79. 女性と腹痛
80. 女性と大腸内視鏡検査

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監修:さいたま新開橋クリニック